冷蔵庫来る

　今日は午後に新しい冷蔵庫が来るので、前の冷蔵庫の片付けと準備をする。震災のスグ後で、この家に引っ越したときに買ったので、１１年あまりになる。水が溜ってきて、電気の消費量も食うらしいので、買い変えることにしたのだ。最近は野菜の食事も多いので、いっそのこと容量の大きいのにした。

部屋が散乱状態なので、太鼓亭に行く。大好物のカレーうどん定食だ。天川のカレーうどんが大人の味なら、こちらは庶民の味？

ここは入ったことがない

　妻に次は液晶テレビだなあと言おうとしたら「テレビはまだまだだよ」とクギをさされた。今のテレビは大阪の大淀区のマンション時代に買った店頭品なのだが、これが長持ちしている。いっときは画面が黒くなり、普通に戻るのに５分くらいかかって、さすがに寿命と思っていたら復活したのだ。そうなると余計に愛着が湧いてきたのだった。

　私は意外に？物を大事に使うタイプではない。新しくても古くても、どちらでもいいのだ。そしてお店にあまり文句を言うこともなくて、スンナリ決める。以前ある電気製品を買いに行って、気に入ったので買おうとしたら「森さん、これは日本橋で買うと安いから」と耳打ちされたが「いいや、構わないから今買います」と強引に買ってしまった。別に見栄っ張りでなくて、安い方がいいのだが、また足を運んでまで買いに行くのが面倒なのだ。

　大阪人ではないのだろうなあ。自分が商売している側に回る心理になるのかもしれない。故村山聖が、食べないときでも、近くのタコ焼き屋さんで買ってしまう状態がよくわかるのだ。私は値段の交渉がヘタであり、ほとんどやったことがない。まけてもらったり、タダでもらっても得した気分になれないのだ。客としたら安い方がいいに決まっているのだが、儲けさせてあげたいという、お人好しの面もあるのだから、どうしょうもない。子どもの頃から、貧乏なのにこれだから、困った子どもだったのである。

　午後に電話があって、冷蔵庫が来た。若いふたり連れだったが、重いので掛け声で注意しあって、作業をしていた。古いのを運び出し、新しいのを持ち込む。傷がつかないように、神経をピリピリさせるので、大変な仕事だ。私には無理である。当たり前だが。

古い冷蔵庫よ、さようなら

　妻はピアノのレッスン中なので、私が整理するのだが、「冷えるまで２時間くらい掛かりますから、注意して入れてくださいね」部屋の中は引越し状態である。少し片付けてから、居眠りしてしまう。何か悩み事があるときは、部屋の整理をするのがよい、そうらしいのだが、手のつけようがないときはどうすればいいのだろう。

　あるときに、村山聖に色紙を依頼したら断られた。「自分のものは一切残したくないのです」と話していた。「そんならしょうがないけど」と言いながら、結局書かせたかもしれない。こんなとき、村山君は一度言い出すと頑固だったが、私も頑固比べなら負けなかった。後で、何がいちばん言いたかったのだろう、その真意を想像して、さみしい気持ちになった。

　自分がこの世に何を残すのかと考えると、現実的にはほとんど何もないような気もする。こんなに忙しい時代で、我が身でさえ振り返ることが少ないのだから、ましてや他人のことだと影が薄いだろう。思っているほど命は重くない・・かも知れない。

　そこから考えると、少々の損や得などはたいしたことがないと思うのだ。こじつけの理屈だが、それよりも生きている今、自分が少しでも必要とされる状態を見出して、その小さなことを大事にしたいと思う。どうせ何にもないのや屁の河童である。（ワケのわからないひとり言）

　守るものがないのはさみしいことだが、守るものがあるのは未練たらしいものだ・・どちらを選んでも悔いが残るものなのだろう。

　昨日から始まった竜王戦第一局は、堺市で行なわれ、渡辺竜王の勝ちだった。

 

コメント 2

小さい頃貧乏でもそれに執着しない森先生、食べ物による栄養も大事でしょうけど、それ以上に人生に必要な栄養分を、きっと小さい頃から吸収されたんでしょう。そう思います。
初めての弟子である村山聖棋士との壮絶で感動的な人生模様、関西棋士で最も多くのお弟子さんをかかえ、さらに毎日６つ以上のブログを更新されるなんてまさに超人です。私自身、森ブログによってずいぶん楽しみが増えました。森先生推奨の名所めぐりもそのひとつです。
この世になにを残すも何も、栄養過多になるぐらい養分を与えられてます。受けた多くの養分はまた別の人に伝播しないといけないと思うつつ、日々食らうだけの自分がいます。
by mura (2007-10-18 21:54) 

ｍｕｒａ様
　ブログの更新は日課でもあり、いつのまにか自分の楽しみにもなっています。贅沢な時間を過ごしているかもしれませんね。
　頭の片隅で仕事を気にしつつ、昨日も今日も明日も、まあいいかの精神で車を走らせています。
　日々更新は、日々遊心でしょうか。
by モリノブ (2007-10-19 00:43)