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将棋教室 [日記]

 昨日は子ども土曜コースと土曜教室があった。夏休み真っ盛りだが、みんな元気に出席である。私の方がフラフラモードで将棋は体力とつくづく痛感する。

 午前中は澤田三段が特別に手伝い、午後は石川4級も手伝い加わって、大石三段と阪上1級の珍しい講師陣となった。よほど任せて休もうかと思ったが、忙しいときほどそういうのはダメなのである。仕事もそうだが、へばっているときが自分の実力で、元気いっぱいの状態で取り組む方が贅沢なのだ。

 土曜教室が終わり、喫茶店からも帰り、居残り組も終わって解散する。今度受験するT君とM君とS君がいた。T君とM君に説教する。将棋を指すときの姿勢が悪いのと、精神が幼稚すぎるのと、プロを目指す気構えが感じられなくて、受験を取り消すことも考える。数年前もこんな感じで呆れ果てたことがあった。今はタテの関係が薄らいで、ヨコが当たり前のように思っている節がある。

  話しながら、何を言われているのかわかっていないだろうなあと想像する。足りないのは、厳しさとやさしさだろうか。自分に対する厳しさと他人に対するやさしさであるが、その逆になっていることが多いのかもしれない。自分のことはさておいて・・そんな感性が薄いのだ。自分のことなどいいじゃないか、コツコツ人のいちばん後ろから歩いていけばいいのだ。そんな精神が必要な気がする。

 自分の点数を高めることにシャカリキになっても、伸びていかないものだ。昔のあらゆる世界の芸事の修業の基本はそんなところにあるのではと思うのだが。自分が人よりも一歩先にいる、一歩先に行きたい、そう思った時点で修業は成り立たない気がする。地道なことをする時間を増やしていくしかないのだ。

 こう思っている自分の感性が通用するかどうかは疑わしいものがある。そういうものだ。それでもいい。こういうところが意地っぱりなのである。


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コメント 2

KS

「コツコツ人のいちばん後ろから歩いていけばいい」。ともかく歩き続けることが大切なのでしょうね。私は今から将棋でそれをすることはできないので、今からでもそれができる別な道を模索中の日々です。

 羽生さんが、自分は謙遜でなくこの十年は決してトップランナーではなかった、むしろ必死に変化についていく立場だった、と名人位獲得後の朝日新聞で語っていたのが、やはり連想されます。あるいは、人より一歩先、と考えるくらいなら、升田幸三賞受賞の今泉三段のように、かつて誰も考えなかった方角に踏み出す方がいいのでしょう。が、やはりこちらは極めて稀な例でしょうし、「狙って」目指すものではなく、恐らくはあるとき「閃く」としか言い様のないものでしょうか。

 奨励会受験希望者の少年たちですが、私も大分年を喰ってきたにせよ、森先生よりは年齢が近い立場から見ると、ちょうど私の年齢・世代が高校に入ったくらいから、学校教育がはっきり「壊れ」続けてきた(私の年齢を、某社会学者は「援助交際」第一世代の始まりというように呼んでいます)ことから状況を考えざるをえません。それは戦後日本を良くも悪くも支えてきたシステムが基盤から崩壊したということですから、学校教育とは別の様々な世界にも、当然影響を及ぼしたのだろうな、と私なりの実感を持って推測できます。ともかくもう、学校の教師は、かつてのような社会的尊敬(タテ関係)を取り戻すことはないでしょう。
 
 いま将棋界に入ろうとする子どもたちも、背景としてはそういう社会で育っているわけですから(しかも生まれた時から)、最後の頼みの綱はやはり、個々の親の教育の善し悪しだけになってきているかと思います。以前、糸谷五段とご両親の写真をこのページで拝見しましたが、やはりしっかりした親御さんに見えました。
 そういう世の中は、多くの場合、親にとっても子にとってもきついでしょうし、最悪の場合として、犬のように(まさにチビのように)「捨てられる」(虐待される)子もやはり増え続けているようです。そうでなければ、服を着たチワワのようにひたすら甘やかされるか、でしょうか。

 そのような世の中に風穴を空けようとするような森先生の奮闘を
このページから拝見しつつ、私も自分のできることを地道にやっていこうと思います。
 いつもながら、長文失礼いたしました。

by KS (2008-08-10 15:43) 

モリノブ

KS様
 私は歩きながら考える、痛い目に合って考える、後で理屈を考える、そんな感じなので実戦的でしょうか、曖昧でいい加減な面が多いと思っています。
 弟子には伝わらないことばかりで、自己満足に終わっても構わないと思っていますが、かすかな自分の思いだけは曲げない、倒れない、意地を張る、そう思っています。そんな日々ですね。
by モリノブ (2008-08-11 23:14) 

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