王座戦第1局の大盤解説で関西将棋会館に向かう。ネット中継で序盤からの展開は見ていたが、山崎七段得意の相掛かりから、24手目羽生王座の9五歩の果敢な端攻めで、力戦調の戦いとなった。

 26手目9六歩と垂らされて、大盤解説を引き受けなければよかったかな・・
 山崎七段の飛角の働きが悪くて苦しい展開となったので、関西将棋会館に向かう足が重い。

 いつもだと山崎七段の大事な対局のときほど、何故か遠出していることが多いのだ。それで夜の22時くらいにネットで見ると、形勢逆転と言った流れが多いのである。

 

 関西将棋会館に着くと、控え室に糸谷五段がいて、王座戦の序盤からの流れを教えてくれた。心配してくれたのだろう。糸谷五段はやさしいのだ。今日は対局もあったので観戦しながら、王座戦の展開を復習する。

 序盤の不安はや消えて、がっぷり組んだ力将棋の様相となった。夕食休憩あたりはまだ駒がぶつかっていない。模様は羽生王座に利ありだが、山崎七段のほうも楽しみがでてきた・・

 

 大盤解説は18時からで、知り合いの人がいると心強いので助かった。序盤から並べていきながら、難解な局面で夕食休憩となったようだ。そこで次の一手を出題する。途中でお客さんの質問コーナーみたいになってしまって、気がつくと解説を忘れていたりした・・

 休憩のときに、お客さんとあれこれ雑談をする。村山聖九段の話も出て、なかなかのベテランである。弟子の話はうれしいものだ。

 夕食休憩が終わってから終局まで(22:05分)大盤解説をした。山崎七段の角が遊んでいるので、じっと辛抱の展開が続く。耐えたと思ったら、羽生王座の大局観の見事さで、飛車を取りにいく構想が厳しかった。このあたりの指し手はさすがの指しまわしで、山崎七段の応援組も一緒によろけていた?

 終盤に入り、うまく凌いだかと思ったが、やはり足りなかったようで羽生王座の勝ちとなった。途中何度かあきらめムードもあったところで、山崎七段の粘り強い指しまわしに、次回からの期待をうかがわせるものがあってよかった。

  羽生王座の将棋の組み立て方はすばらしいなあと呆気に取られるばかりである。しかし山崎七段の勝負のリズムを信じて第2局は大いに期待したい。それを感じさせるものがあって、負けたもののほっとした・・

 大盤でも私情の入った解説っぽくなってしまったが、将棋を堪能した一日だった。

 終わって、王座戦の勝負の余韻にひたる打ち上げに行った。大盤解説に来ていただいていた林家竹丸さんと詰め将棋作家の三宅さんである。

 祝杯にはならなかったが、楽しい時間をもててよかった。

 大盤解説にお越しいただきました皆様ありがとうございました。