綾部夕景。「写真あれこれ」にも別のカットを掲載した。

 今日は午前中、昨日書けなかったブログを急いで書き込む。昼前に出発して,堺に向かう。朝日会病院に着いて、二階の病室に入ると、水津さんが「今日、誰かが見舞いに来てくれそうなので、家に帰ろうと思うとりました」と言ったので、あわてて制した。「今度Wさんと待ち合わせている日にしましょう」

 妻がコインランドリーに行く間に、大事な話があるのでと言われて、座り直す。大体の見当はついているが、律儀な水津さんらしい依頼だった。それから病院の担当の看護婦さん(婦長さんかもしれない)が来られて、「水津さん、抗がん剤を週一回に減らして、いったん治療を遅くする件、考えておいて下さいね。まずは食事をがんばって、体力をつけましょう」はきはきした声で説明してくれる。治療経過を始めて聞いたが、「普通の人なら、吐いたり倦怠感で精神的に参る薬なのに、水津さんはタフですよ」

 「この間までのはきつい薬だから、毛も抜けるほどなのに、水津さんは毛が生えてきそうな元気さですね」明るく応対してくれる。水津さんは、話を始めていくほど、顔のつやもよくなっていくのがわかる。「今の食欲の状態では、摂取カロリーが不足しています。アイスクリームでも何でもお好きなものを食べて、お茶もたっぷり飲んで、とにかく体力ですよ」

 食欲がなくて衰弱していたと思ったのは、薬のせいだったらしい。強靭な体力と精神力で、ダイハードのような水津さんである。ときどき弱音を吐きそうなときもあるが、淡々と病気に向き合う水津さんには脱帽である。

 今朝、私の母からも「足の痛みで、手術することにした。入院はまだ先だし、心配はいらないから。そのままいってしまってもええくらいに思ってるから、今は帰らなくてもええ」笑いながら報告があった。

 堺から帰宅して寝転がっていると、いつのまにか居眠りしてしまった。クロの泣き声が聞こえて(餌の時間になると、クロは貰えるまでシクシク泣き止まないのだ)そんな時間かと目が覚めた。トビオもクロも餌を待つ瞬間は、世にも真剣な眼差しで、私でなく餌の方を睨みつけている。ヤジ馬で源さんも「ボーボボボッ」と鳴きだす。平和な光景だ。