源さんデビューの日

　

　けさも駒音がするとテクテク（以前はノソノソ）邪魔をしにきた

我が家のきれいでない？庭

　きょうも目が覚めてから起き上がるのが大義だった。仕方なく起きるが、子どもの頃はもっと、冬の朝はいやだったものだ。棋士になって、夜型の暮らしになっていた頃は、起きるのが早くて１０時、遅いと１１時くらいだった。食事も朝と昼を兼ねて、夕方から目が覚める感じで、深夜に絶好調なのだ。それで将棋や麻雀で朝まで・・この生活サイクルを変えたのは、結婚してからである。

　わかっていても生活のサイクルを変えるのは大変だ。弟子でも学生の間はいいが、フリーになると生活サイクルが必ず乱れる。夜型になりだすと、マイナスイオンが生じるみたいに、何かが崩れやすいのだ。長年、私自身が身を持って体験したので、間違いないことだ。人間、本来は崩れてからが勝負でもあるのだが、今は競争が激しく、厳しく、そんな余裕がない。また時間をかけて熟成させるほうがいいに決まっているのだが、そういう時代でなくなっているのと、弟子を見ていると、今は精神がヤワすぎて、ひとたまりもないだろう。

駐車場にて

　午前中、昨日準備した「子ども教室会報」の発送に、駅前のポストに行く。ふと、天気もいいので「源さんを連れていこうかな」妻も一緒に散歩となった。

清荒神駅前にて

　源さんはペットショップでもサークルで飼われていたし、我が家に来てからも、外に散歩（せいぜい庭だ）の発想がなかった。危なっかしいのと、源さんの神経質さを気にしたからだ。源さんは我が家に来て丸二年になるが、（私の誕生日に何故か、妻の希望で買ったのだ、誕生日逆プレゼント？）

ポストにて

　いつだか冬扇さんが「確か源さんを買うに当たっては・・」この援護射撃があって、事実関係を確認できたのだった。源さんの出番が多くなって、トビオやクロの存在が薄くなってかわいそうなのだが。パグはとにかく寒さは大の苦手で、暖かくならないと冬眠状態なのである。（夏も弱いのだが）

　ポストで源さんの記念写真を撮ろうとしたら、たちまち人だかりができた。近所の顔見知りの喫茶店の人、お肉屋さん、タバコ屋さん、お参りする人が、源さんの姿に興味深々寄ってきて、質問攻撃だ。今まで。こういう風に外に連れ出す発想はなかった。無理と思っていたからだ。

ベガホール前の公園

　図書館とベガホールのある広場に連れて行く。やはり通りがかりの人たちが、さも鳩に水鉄砲の表情になっていた。「それは何でんのん？」「カラスですか？」「鳩ですよ。飛べませんけど」同じ答を何度も繰り返す。源さんは堂々としていて、心配は無用だった。やけにリラックスしている。「源さん！」と呼ぶと「源さん？ワハッハ」おじさんが笑い出す「いい名前やなあ」

　ついでに義父の家にも寄って、初デビューさせることにした。ここでもテーブルの上で妙にのびのびしていて、私の前でペタンコになって「グークルクル」と甘えた声で鳴くのだった。きょうは源さんがよくがんばって、何だかデビューしたような気分だった。源さんはどこにいても絵になるのだった。

義父の家の階段にて

　帰宅して、少し休んでから、子ども教室のテキストを作る。その後でピピアめふに印刷に行く。「すみません。４月から印刷室がなくなります」ピピアでの印刷は、とっても助かるし、私のように教室のテキストや詰め将棋のプリントをいっぱい作っていると、経費が助かっていたのだ。何だかここでも値上げの嵐がきたような気分である。一枚１０円のコピーは高すぎるのだ。印刷だと３分の１で抑えられる。まあ決まることはしょうがない。

ひと仕事の後の水浴び、冬でも大好きなのだ

　帰宅して、夕食のとき、ＮＨＫクローズアップ現代「考える力を！ＥＵ教育最前線」を興味深く見た。フィンランドの教育の話だった。以前、モンゴルの里で、そこの店の人が、フィンランドの教育が今注目されているとの話をしていたことを思い出した。画期的な方向性があるそうとのことだった。

①考える力を養う②教育現場に責任を持たせる③子ども達の人生をどう導くか④門戸が開かれてる状況が大切、そんな趣旨だったろうか。

　（教師の社会的地位も高いし、ハイレベルの実力が求められている）今の日本と反対の方向性なのだろうか。そういえば昨日テレビで見た「斉藤さん」というドラマも興味深い内容だった。教育は学校に限らず、どの世界でもどの分野でも避けて通れないどころか、密接な関わりがある。

　　日本の子ども達の「科学離れ」の状況は深刻らしい。確かに謎を考えるよりも、受験勉強には、暗記させる課目の方が効果的なのだろう。但し、今はどれがよくてどれが悪いと断定できる時代ではない。否定よりも理解、肯定よりも向上が大切なのだと思う。

ひなたぼっこして、後は一眠りかな。　

コメント 6

モリノブ先生、こんばんは。源さん、いいですね。
白いテーブルに乗っている源さんが、とてもいいと思いました。
ポーズもなかなかで、画になっています。
鳩であることを、うっかり忘れてしまいそうです。
by ahiru (2008-02-01 00:21) 

源さんの地域デビュー！　ついに街のアイドルになりましたね。
森夫妻、鳩の源さん、そして街の人や風景とが織り成す、森ワールドも実に惹きこまれます。
フィンランドですが、ヨーロッパの日本といわれるほど、日本人本来の気質とよく似ているそうです。
日本人が正直に堂々と生き難くく、国全体が心理的に萎縮している中、フィンランドとのギャップがひろがったように思います。
by mura (2008-02-01 10:16) 

ａｈｉｒｕ様
　源さんにくっつかれながらも、癒される日々です。甘えん坊の面影もなく、カッコいい源さんです。
　みんなに元気のエネルギーを与えてほしいですね。
by モリノブ (2008-02-01 18:52) 

ｍｕｒａ様
　源さんデビュー！ですが、至って変わりなく、今もヨチヨ忙しそうに歩いています。
　フィンランドの教育については、国全体で取り組む姿勢が感じられます。特に教育現場に責任を持たせる、考える力を養うこと、わかっていても出来ないことですね。ひとりの子どもに気を取られて、全体に目が向いていない、教師をチェックするシステムもなるほどと思います。
　いい悪いでなくて、何かを考えさせられます。
by モリノブ (2008-02-01 19:00) 

森先生の日記を、日付をさかのぼって読んでいるので、ストーリーが
後付になり、変なんですが、それを楽しんでいます。（これから約１年半の長編ドラマ？が楽しみです。）
今日で源さんの全容が見えました。やはり鳩には見えませんね。
一連の写真は、なぜかは分かりませんが癒されます。
by 宮ちゃん (2008-05-28 22:26) 

宮ちゃん様
　毎日書いていると、後で自分でも日記代わりで助かることもあります。面倒でも続けるといいことがあります。
　源さんは鳩には見えないですね。この日、初めて外にデビューで、通りがかりの人が興味深そうに眺めていました。源さんも驚きの表情です。
by モリノブ (2008-05-29 08:08)