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野菜、村、食事 綾部行 [写真日記]

 昨日は(9,18)山崎七段を連れて綾部に行った。10時過ぎに宝塚を出発して、11時半くらいに95さん宅に到着した。すでに出口三平さんが来られていて合流した。少し休憩して(95さんは詰めパラの前身である「紳棋会」という小冊子や古棋書を蔵書されていて、山崎七段も興味深々)○○食堂に向かう。見たことのある風景と思ったら、大本教の以前案内していただいたところだった。この極秘食堂?はボリュームたっぷり、ヘルシーな昼食で、私はカレーライスを注文した。小皿に付き出しをもらって、おいしくいただく。教団の人でなくとも入れるそうだ。値段は驚くほどの安価で400円とのことだった。二度ビックリである。

 昼食後、綾部駅前の「アンネのバラ」に寄ってから、95さんの奥様の実家に向かう。近くに牛舎があって、写真を撮っていると、ぞろぞろと牛たちが様子を見に来ていた。その後で以前にも伺ったことのある野菜畑に案内してもらう。いろんな種類の野菜があって、なすび、里芋、メロンなどを収穫する。山崎七段も初めての体験だったが、楽しそうだった。里芋を手にする山崎七段、案外絵になるの格好だ。

 次にSさん宅に向かう。8年前に大阪から綾部に移って来られたそうで「綾部市の田舎に住もうの説明会に来て、気がついたらこの家に移り住んでいました」とのことである。それから農業に従事されて8年なのだ。部屋に案内されたが、落ち着いた佇まいの雰囲気だった。「道が行き止まりなので、村の人しか通らないのですよ」静かな時間が過ぎる。さっそく手作りのピザをいただいた。

 家を出てSさんのビニールハウスに向かう。パプリカがあった。派手な色彩の野菜だが、色は変わっていくらしい。

 少し遅くなってしまったが、上林禅寺に向かう。着いて直に山の奥の方に車を走らせる。私は黒川禅師の車に乗せていただいて、奥へ奥へ向かう。過疎の里は近年「限界集落」という言葉で表現される。65歳以上の高齢者が住民の50%を越えた集落のことだ。村の機能が失われ、5年、10年先には消滅の危機感があるそうだ。途中で「民泊、素のまんま」に立ち寄ってから、日が暮れそうなので先に「水源の里」に向かう。綾部市五泉町の市志集落だ。

 以前も黒川禅師に案内されて、限界集落の古屋地区に行ったことがある。過疎の村は高齢化で人が少なくなり、生活にも支障が出ている厳しい状況なのだ。ちょうど数日前のA新聞の記事「列島360」で、綾部市の、水源の里条例の記事も出ていた。小川に下りると、川の中にきれいな花があった。

「こういう山奥に人が住んでいるのが、不思議な気もします」「上林はお茶の名産地だったと思われますが、かってはこのあたりは豪族で栄えたところかもしれませんね」こういった過疎の村ほど、自然が残されている風景が見られる。長い間の人の暮らしや息遣いが消えていくのはつらいことだ。さみしいことだ。

 民泊(農家にそのまま泊めてもらう、民宿のようなもの)「素のまんま」に戻る。「昨日まで東京の方からお客さんが泊まっていました」自家製の「そばボーロ」も蕎麦の味がしておいしかった。横の茶室に案内される。女将さんにお茶を立てていただいた。山奥の静かな里のぬくもりがうれしい。

 「昼間は川で遊んだり、そばボーロを作ったり、ずっと寝てばかりの人もいますよ。都会からお金を使ってもったいないのにねえ」「僕はその人の気持ちわかります」と山崎七段がポツリとつぶやいた。(そうでなくとも寝てばかりだったなあ?)

 夜も更け始めて、上林禅寺に戻る。お寺でクロ、シロ、クマの3匹の野性味たっぷりの犬に迎えられる。私は腰が引け気味だ。里見八犬伝にでてきそうな犬達である。

  黒川禅師の奥様の手料理をごちそうになった。禅師の修業時代のお話を聞きながら、食事どき一色の当時の道具をみせていただいた。「食事、座禅、入浴のときは一切無言です。しゃべろうものなら、きつく叱責されコレで叩かれます」どう見ても、木刀としか思えない・・「いちばん大変だったのは配膳係りのときで、細かいしきたりを間違えそうでイヤでしたね。私はいちばん叩かれました。」黒川禅師は、若い人に混ざり子持ちで修業を初められたそうである。「和尚さんは子どもの頃から、やんちゃだったのでしょうね。」妻が危ないことを質問する。

 

 ご飯、汁物、お漬物を入れる茶碗が三つ重ねられるようになっている。お箸は大きくて食べにくいものだったが、食事前の読経にも使えるのだ。一切無言なので、食事を入れてもらうときとストップのときは合図があるそうだ。布巾もついているので一切手間がかからないように出来ている。何事も合理的な精神である。

 上林禅寺を出て、95さん宅に戻ってから、宝塚に帰ることにする。8時半を過ぎていた。帰りの高速では道も空いていた。宝塚に着き、清荒神の駅前で山崎七段を見送る。中身の濃い多彩な一日だったが、心地よい疲れだった。

 今回も綾部の皆さんにはいろいろとお世話になり、ありがとうございました。

 ☆昨日はC級2組順位戦で、糸谷四段は勝ちで、増田五段は負けだった。ふたりとも2-2だが、増田五段は痛かったが、最後まであきらめないで全力を尽くしてほしい。増田五段の将棋が終わるまで見ていたが、少し悔しい思いである。


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コメント 4

ドクター尼子

山崎七段には、青空、自然が似合いますね。
こういう場所で英気を養ってから次の対局に臨めるのは師匠のお陰ですね。
写真もたくさん、ありがとうございます。
by ドクター尼子 (2007-09-19 19:44) 

内藤

綾部の写真興味深く拝見しました。都会以外どこも限界集落が増えて10年後はどうなるんだろうと思います。先日、親戚の法事で私以外は、農業の人ばかりなので農薬の種類と効き目の話で盛り上がっていました。結構、面白かったですが。
by 内藤 (2007-09-19 20:23) 

モリノブ

ドクター尼子様
 山崎七段には、青空と野菜が似合っていました。車の中で将棋の話も少し聞きましたが、とにかく英気を養って、将棋と正面から向き合ってほしいですね。
 写真はいやがる弟子を撮るのが師匠の特権です。
by モリノブ (2007-09-19 21:18) 

モリノブ

内藤様
 綾部は限界集落のための条例で(五年間のみ)いろんな対策を考えているようです。過疎の再生は重要な課題ですが、何でもやってみる活気が出てほしいですね。
 都会から田舎に移り住む、特産物の奨励、民泊もその一例みたいです。自然回帰の方向に向かえば、もっと理解する人も出てくるのでしょうが・・
by モリノブ (2007-09-19 21:24) 

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