京橋～都島界隈を歩く①

 　

　昨日は午前中はゆっくりして、午後からホテル阪神で祝賀会の打ち合わせだった。それもあっという間に終わって、夕方の稽古（松下電工）まで時間があったので、①映画②街探索のどちらかにする。映画は時間があわなくて、結局、京橋駅まで行って、界隈を探索することにした。

　せっかくなら、昔すんだことのある「都島」まで歩くことにしたが、記憶が定かでない。奨励会に入会したとき、教室のお客さんで洋服屋のＩさんが「仕事を手伝いながらどうぞ」と言ってもらって、都島に住むことになったのだ。態度の悪い（今では想像もつかないが？）私は下宿先やアパートを何軒も変わった。そのつどＩさんに迷惑をかけた。私は世間知らずもいいとこで、ステレオはガンガン、トイレのスリッパを踏みつけたり、挨拶はしない、夜中までパチパチ、家主が怒りに来ても無視。これでは追い出されるはずだ。

　おまけに仕事は何もできないのに、夕食つきで給料ももらうわ、今考えると、よく我慢して置いてくれていたなあと思う。息子さんが奨励会を目指していて（結局入会したが数年でやめた）かろうじてその理由があったせいだろう。奨励会の成績が悪くて、なかばノイロ－ゼ気味になった私は、ある日突然、Ｉさんに相談もせず都島のアパートを飛び出して、勝手に実家に帰った。２０歳のときだった。

　それから数年後、ご主人が白血病で亡くなって、奨励会を辞めた息子さんがお坊さんになって、引越して店は移り、おかみさんが引き継いでいたが、まもなく閉店した。私は棋士になってから、何度か新しいお店に通って、背広を仕立ててもらった。せめて嫌われてなかったのが救いだ。「森さん棋士になってよかったね」そう言ってもらえてうれしかった。

　夕方から松下電工の稽古で、終わってから将棋好きのご主人の「萱島」のちゃんこ料理に行く。私は生２杯と焼酎を少し飲んだ。前日に続いて遅い帰宅でバテ気味だが、気分はよかった・・

☆アルバム京橋～都島界隈を歩く①

 

 

 

街を歩いていると、街の息づかいが聞えてくる。人の暮らしが見えてくる。