受験者特訓の日々 [日記]
昨日も「受験者特訓」の日で、阪上二段に指導を依頼した。
なかなか思うようには事が運ばないが、毎回感じるのは盤面のテーマから「目を逸らさない」ことだろうか。今は受験者特訓の日々だが、自分自身への問いもいっぱいある。ときどき休みながら考えるのだが、ふと自分はいったい何をしようとしているのだろうか・・
こういった妄想に入るのは、順調でないせいもあるのだろう。みんな自分なりに手ごたえをつかんでほしいものだ・・
夏というだけで疲れが残るものだが、それに漠然としたストレスが加わって、バテ気味である。もっとも昔は夏の昼間は昼寝しか考えられなかった・・エアコンは快適に見えて、新幹線と同じで活動時間を増やしている面もあるのだろう。
優性主義というのがあるそうだが、要するに世の中の役に立つものを重視して、役に立たないといわれるものを排除する‥考えらしい。私などは劣勢主義?で、世の中の役に立たないことが大切で、役に立つものはロクなものがない?とひそかに思っている‥
経済重視でいくと、どうしてもこうなって行くのだそうだ。そこから生まれてくるのは、格差なのだろうと思う。人それぞれに格差があるのは当たり前と思うのだが、社会で格差を位置づけられるととっても不愉快なものがある・・
個人のレベルならしょうがないなあと思うものでも、政治の中で決められると怖いものも多い。決まってしまうと、守らないといけないものになる‥今は安心して政治を託す人物不在の時代だが、政治に託さないといけないことも多いのが大きな矛盾だろうか。
受験者研究会と朝日カルチャー講座 「大阪の移行的混乱」 [日記]
昨日も受験者特訓日で、指導は上田1級に依頼した。夏の特訓のちょうど真ん中あたりで、中だるみも心配しているが、それより以前の心がけの面で不安がいっぱいである。
毎晩、受験者のひとりひとりを、さあどうしようかと練るのが日課になっているが?全体に自覚の足りなさを感じる。もどかしいというか歯がゆいというか、今の子ども達はお膳立てしたうえでないと何もできないのかもしれないなあとも思う。何かのきっかけがあれば目覚めると思うが、受け身のときはダメである気がしてならない‥
この一年間で何かを身に着けてくれたと思うが、どうもひとりでいるといいのに、仲間と一緒のときや環境が変わると、ゆらいでしまう‥動じないもの、左右されないものがほしいと思う。
人に嫌われるのを、人と違うことに徹するのが苦手なのかもしれない。私のように人に好かれたくない?人と同じことをしたくないで育ってきたタイプからみると、わかりにくい・・でもここが分かれ道である。自己弁護しない、他人に嫌われても構わない、自分の感情を抑える、その代わり勝負に徹して噛みついても負けない、極端なたとえだがそういうものがほしい。
昨日は前に予約していた「大阪の移行的混乱」朝日カルチャーの講座に行く。内田樹さん、平川克美さん、小田嶋隆さんの対談方式の講座だったが、やはり満員だった。
物事に鈍感な私でも、さすがに今の時代の何かの兆候を感じて、世相にやや危機感を抱いている。それはやや漠然とだが確実に感じるもので、弱者に対する締め付けと、不景気の閉塞感からくる現状の中での危険な選択の道を選ぶのではという、何かの部分の不安である。
もともと私は世の中の何も信じない気質を持っているわりに、諭されやすい、ごまかされやすい、素直な?性格である。痛い目にあっても、相手は恨まない、自分もあきらめる、そういうヤワな性分である。だからこそかもしれないが、実際にはどうなのか?そういう追求心は強い。そうして事実がわかれば、納得して自分の背丈で暮らしていくスタンスを守りたいと思う。
初めに前の方に席を取った。以前に何度か講演をしたことがあるが、こうやって(期待して待っているのに)申し訳なかったなあ‥
周囲を見ると幅広い層で、女性も多かった。
講座が始まり、3人の方の紹介と雑談から入ったが、大上段の論客でなくて、身近な距離感なのがいいなあと思った。白熱してくると危うい言葉も飛び出すが、でも論点をしっかり言ってもらえるので分かりやすかった。今までわかりにくかった事柄が、なるほどと納得する。
私はしゃべるのが苦手で、主語がないのでわかりにくい(妻の言葉)らしい。語彙が少なくて、動物的なのである。ウーとかアーとかで対話するようなものだ。
土日月の日記 8,4 8,5 8,6 [日記]
土曜日の日記 8月4日
土曜特訓、受験者特訓 花火大会
土曜日は「土曜特訓コース」だった。夏休みで少なくて三面指しでよかった。午後からは二回目はなしで、少しゆったりできた。どことなく疲れ気味なのは、夏バテもあるが気持ちの問題も大きいようである。
この日の受験者特訓は坪井1級に依頼した。この前の奨励会で退会が決まったのだが、何よりも無念なのは本人だろう‥何度かのチャンスを逃したのが痛かった・・でも大阪に出てきて、不安と心配を吹っ切ってくれて、みのりはあったと思う。
別の人生も大きな選択である。大切なのはこれからの日々だ・・しっかり踏みしめていってほしい。
ちょうど宝塚の花火大会があったので、一緒に見に行くことにした。
さみしい花火大会だったが、よけいにきれいだった・・弟子を持つのはある意味で腹をくくっていないと、大きな犠牲を伴うものでもある・・自分の中でも常に自分に問うているのだが、そのときのそのときの最善を考えて進めているので、結果を受け入れるしかない。
情が移るのはマイナスもあるが、客観視しないといけないが、今回は私もつらいものがあった‥勝負の世界の余韻みたいなものはしょうがない・・
日曜日の日記 8月5日
伊丹コース 受験者特訓
午前中は「伊丹日曜コース」だった。夏休みなので少ないが、見学が二名いた。
角落ち戦で、ここから2五桂とされて唖然である。上手負けだ。同桂は4六角から3七銀がある。
四枚落ち戦で、ここから3五歩で上手負け。決められるとうれしい?のが指導だ?
夕方に野間五段が来訪。U君の状況視察も兼ねているようだ。野間五段は私の弟弟子で、奨励会に入ってから(当時の関西本部は阿倍野区北畠にあった)大阪の阿倍野のアパートに住んでいた。とっても素直でかわいい少年だった。よくマッサージしてもらった?今も頼れる弟弟子である。
数年前まで正月の家族旅行や、夏の中国への旅も毎回同行してもらっていた。ボディーガードも兼ねているのだが、堅実整頓の性格なので、森家の雑然の中でよく耐え抜いている?と思う。
食事の時も我が家はせっかちに早く終えてしまうのだが、野間五段はゆったりペースでそこからが勝負である?そうやって最後に整理していく・・仕事の堅実さと同じなのだ。早くて雑な私にはとっても助かる。
月曜日の日記 8月6日
受験者特訓、奨励会例会
この日は受験者のほぼ全員がそろい、受験日に向かって最終の特訓の日々となる。厳しい状況は変わりないが、こういった日々を通じて何かをつかんでほしいのだ。
途中でバテ気味で、寝転ぶ。混沌とした頭になっている。
夕方、受験者特訓が終わってからトビオをT動物病院に連れて行く。診察時間を少し過ぎてしまっていたが、見てもらう。数日前から下痢が治らなくて、クロも似たような症状になってしまったのである。トビオもクロも16歳になる高齢犬なので心配もあった。
2年前に体力が衰えて駄目かなあと思った時期があったが、餌を変えてから元気になっていた。もともと食欲は旺盛なのである。弱っても食べる‥目が見えなくなっても食べ物は気づく、まだまだ元気でいてほしい‥
注射を打ってもらって、薬をもらった。
奨励会の結果報告の留守番電話がいっぱいあったが、どうも成績はもうひとつである。悩ましい日々だが、何とか打開していってほしいものだ。
8,3対局負け [日記]
昨日は対局で、棋聖戦の淡路九段戦だった。中盤で形勢が悪くなって、負けたと思っていたが終盤になってチャンスが来た。それから勝勢になってさすがにと思っていたら、寄せをぐずって再度の逆転負けになった。ジリ貧傾向と一瞬のスキ・・自分のすべてをみたような将棋でややゲンナリする。
今はなかなかものごとに集中できない要素がいっぱいあって、気持ちの均衡を保つのが難しい。環境を整えるのが大切なのだろう。邪心や緩慢、散漫、傲慢?に満ち溢れた世相である。謙虚、正直、誠実、純心という言葉が遠くに消えて行っているのだろうか?
そうでなくて、身勝手さが優先しているので、バランスが崩れている・・そういう気がする。きれいごとと本音が程よくない?バランスになっているのではと思う。大切な声が小さくて、どうでもいい声が大きく聞こえるのである・・
そういう自分がバランスを保っているかどうか、自信がない‥結果が出ないとあせるけいこうにあるが、タフさを失わないようにしないといけない。今の時代は勝っても負けてもタフでないといけないのだ。
夕方からリハビリに行ったり、買い物をして、宝塚の花火大会を忘れてしまっていた・・毎年欠かさずに見ていたのだが・・
弟子がいっぱい来て一緒に見ていたのが、つい最近のようである‥
8月1日姫路競馬 8月2日澤田四段来訪 [日記]
水曜日の日記
姫路競馬に行く 8月1日
木曜日の日記 8月3日
澤田四段来訪
7,30奨励会例会 7,31夏休み入門教室 [日記]
奨励会例会 7月30日(月)
月曜日は奨励会の例会日だった。午前中、翌日の「ピピアめふ夏休み子ども将棋入門教室」のテキスト作成する。(ギリギリで遅い)それからリハビリに行って、コピーする。テキストは間際まで内容を考えて、以前のものを修正、更新するのだが、役に立つのかどうかは疑問である?
夕方、ピピアめふに行って、翌日の入門教室の準備をする。弟子がいないのだが、前日にやっていおくと助かるのだ。テーブルや椅子の準備、盤駒(駒は並べて確認する)それから明日の軽い打ち合わせをして終わる。
帰宅して休みながら、ネット競馬をする。これが私の癒し?なのだ‥姫路競馬はないので、大井競馬をする。
夕方、T君から電話があった。連敗して奨励会を退会の連絡だった・・ここ数か月は期待と覚悟の両方の気持ちのはざまで待っていたが、結果は無念だった・・こういったときは頭が真っ白になって、どこかの部分の感情の糸が切れてしまう・・
将棋に向き合って精一杯戦った姿を見ているので、理屈に合わない言葉をかけたが、結果に対して甘んじるしかないのもこの世界である。くやしいが事実を受け入れるしかないのである・・
奨励会の結果報告の電話が入ってきたが、なんだかさみしい結果が多くて、師匠としてぐらついてしまいそうでまいった‥泣きっ面にハチである?でもあまり全体の成績が悪いと、感情が消えてしまって、むしろにこやかになってしまう・・これは人間の自己保身本能らしい。私のクセかもしれない。
「耐えて反撃のチャンスを待つ」村山聖九段の言葉を思い出す。どういう状況でもそれしかないのである。
石川二段と上田1級、山口2級の棋譜調べをする。
夜になって、竜王戦の山崎七段が挑戦者決定戦三番勝負進出が決まった。よかった。次もがんばってほしい‥でもあまり期待するといいことはないので?ひそかに応援しよう・・
7月31日(火曜)ピピアめふ、夏休み子ども将棋入門教室
午前の部は「初心者クラス」で駒の動かし方があやうい?子ども対象である。24名が定員だが結局27名の参加だったようだ。
大盤で「駒の動かし方とルール」それから「将棋を指す体験コーナー」そして「ミニ大会」そのあとで大盤での講義、そして表彰とお楽しみ抽選会のスケジュールだった。
初心者対象の教室は初めてだったので(いつもは初級者も交じっている)実は不安だったのだが、はたしてどうだっただろう?
昼休みの休憩時間、教室の間は写真を撮る余裕はまったくなしなのである。
午後からは初級者対象で、ほとんど駒の動かし方はわかる子ども達だった。27名出席だった。内容は午前中と少し変更したが、棋力差のある場合の方が内容をどのレベルに置くのか難しいと感じた。
子どもたちの将棋を見て回りながら、決着のつかないところは判定か、ジャンケン勝負にした。その合間に対戦を組んでいって、ときおりアドバイスしながら、ずっと飽きないように心がけたのだが、終わってみると、これでよかったかなあと反省も多い。
とにかく駒を握って、実戦を指しながら覚えて行く・・これもひとつの初心者の指導法と思う。子ども達は大変な面もあるが、逆に鍛えてくれる?のである。
夕方は片づけを終えて、T君と喫茶店に行く。それから回転寿司に行った。奨励会の当日の夜は同門の兄弟子が夕食に誘ってくれたそうだ‥少しほっとした。
師匠と言うのはいろんな見方があって、私はいい師匠とも思っていないが、弟子が結果をだしてくれるのが何よりうれしい・・でも本音は人間として弟子が育ってくれることがもっとうれしい。将棋の技を磨くのがすべてだが、その上に人間を磨くことにつながれば・・と思う。自分も弟子に鍛えられている面があるのである‥
時間があるとオリンピックの放送を見ているが、勝負の悲哀をいっぱい見せてくれる‥勝者だけでなくて敗者にもドラマがある・・
少し休みたいなあ‥適度に息抜きしよう。